双子を妊娠中、自分のおなかの中でふたりの人間が同時に育っていくのってどこか実感がわかず、不思議な感覚でした。
それと同時に二人の子がどちらも同じように順調に育ってくれているか不安でたまりませんでした。
その気持ちは出産後も同じで子どもたちが中学生になった現在も続いています。
歳の差兄弟と違って数分違いでこの世に生まれてくる双子。
そんな双子育児をする上で私と夫が重要視してきたことがあります。
それは「平等」ということです。
この双子育児の上での「平等」という考え方は我が家流にすぎませんが、子どもたちが小さいころから「平等」にこだわった結果、思春期を迎える子どもたちがどう思っているのか、育っているのか(親の目からみてですが)書いていきたいと思います。
これから双子を育てるパパ、ママさんはひとつの例として参考にしてみてくださいね。
双子を「平等」にするっていうのはこんな感じ
「平等」ということの意味
最初にいっておきますと、この「平等」というのはなんでも同じように育てるという意味ではありません。
我が家の場合男女双子なので二卵性ですが、一卵性の双子でも一人ひとり違う人間です。
顔は似ていたとしても、好きなものも違えば得意なものも違います。もちろん性格だって違います。
べったり甘えるのが好きな子、干渉されるのか嫌いな子、その子が望むかたちの愛情を与えるようにするという意味です。
ただ衣類やお菓子、おもちゃなど購入するときなどはふたりに同じ数だけ与えるというように、子どもたちが目に見えて平等だとわかるようなことは特に気をつけています。
それは大きくなった現在でも変わらずです。
平等に「我慢して~」
人により育児の環境はそれぞれ違いますが、日中ママさんひとりで双子のお世話をする家庭が多いのではないでしょうか。
同じ月齢の子どもふたりに対してママは一人。
小さいころから平等に我慢してもらうことも多くなります。
遊びに行って疲れてだっこをせがまれることもありましたが、ふたりいっぺんにはだっこできません。
泣いてぐずってもあやしながら歩かせました。時にはお菓子で気をまぎらせたり。
周りからみたらだっこしてあげられないことがかわいそうに思われたかもしれません。
もちろん夫がいるときや祖父母がいて大人の手があるときは、だっこをせがまれたらしてあげるようにしていました。
最初は一人の子のようにだっこしてあげられないのを不憫に思うこともありましたが、このようなことが当たり前になってしまうと子どもたちもそういうものだと理解してくれるようになります。
大きくなってからそのときのことを子どもたちに聞いても「覚えてない」とのこと。
大人の心配をよそにトラウマにはなっていないようなのでご安心を(笑)。
双子を平等にするのは大きくなってからの方が大変?
小さい頃はスケジュールもほとんど同じなので平等に関わりを持つことが可能だったわけですが、小学校入学くらいから習い事もそれぞれちがうものを始めたり、別々に行動をすることが多くなってきたふたり。
息子の習い事の剣道は保護者が手伝うことが多く、荷物も大きいので送迎が必要になります。また出稽古や試合などであちこち連れて行かなくてはなりません。
一方娘の習い事の書道は教室も近く、先生に丸投げで保護者は全く行く必要なし。
すると自然と息子と関わる時間の方が多くなります。
普段娘はあまり文句を言いませんがたまに「また留守番?」とこぼすことも。
そんなときは娘にお土産を買ってきたり(普通のスーパーで売っているアイスなど)、夫に娘の行きたいところに連れ出してもらったり、なにかしら娘に代わりとなるようなイベントやものを用意しています。
ただこれで果たして娘が本当に満たされているのか、それとも我慢させてしまっていることの埋め合わせ、つまり親の自己満足にすぎないのかはわかりません。
中学生双子たちに「平等」について聞いてみた
子どもたちは親が平等にこだわっていることについてどう考えているのかきいてみました。
子どもたちも相手に対して平等にするのが当たり前になっているようです。
そうすることでお互いが気持ちよく過ごせることが自然と分かっているんだと思います。
男女双子思春期でも仲がいいのは「平等」にした結果?
中学生になった今でも毎朝一緒に登校するふたり。
時にはふたりで買い物にも出かけます。友達より気をつかわなくていいから楽なんだそう。
しっかりもので几帳面な娘とのんびりマイペースな息子。
お互い得意なことも頑張っていることもちがいますし、口喧嘩なんかしょっちゅうです。
それでも自分だけ特別な思いをするときは「○○の分は?」ともう片方を気にしたり、どちらかのモチベーションが下がっているときは、もう片方がはっぱをかけて自分と同じモチベーションまでひっぱりあげたり、相手にも自分と同じような状態でいてほしいのかなと感じることが多々あります。
時には双子を「平等」にできないこともある
お世話をする側からしてみればその時々によって手のかかる子が入れ替わり、そのたびにイライラして「なんでこの子は私の手を煩わせることばかりするの?もう片方の方が手がかからなくてかわいい!」なんて思ってしまうこともあるかもしれません。
まだ幼い双子を子育て中は余裕がなくなり「ふたりとも同じようににかわいいと思えない」「この子とは相性が悪いのかも」と悩むママさん、パパさんも多いと聞きます。
私もそうでした。
時には「平等」に接することができないと悩んだことも。
でもそれって「あのときそう感じたのは私にとって都合のいい子だったんだな」と今になってわかったこともあります。
ただリアルタイムで育児中のころはそんな風に考えられないのは当然です。
そんな時はパートナーやじいじばあばにフォローしてもらうのもいいと思います。
子どもは成長していくにつれ、変化していきます。
あんなに手のかかった子がこんなに頼もしくなって・・と感じる日が来ると思います。
そしたらまたふたりに同じように沢山笑顔を向けて、沢山話を聞いてあげてくださいね。