Q&Aサイトをみていてよく目にするのが
「双子は比べられる」という悩みです。
もちろん双子にかぎらず、歳の差兄弟でもよくある悩みだと思います。
しかし双子の場合どうしても2人でひとくくりに扱われることがあり、特に同性の場合は容姿を比べられたり、性格を比べられたりする機会も多いのではないでしょうか。
我が家の子どもたちは男女ですが、娘が成績を比べられて悩んだ時期があったようです。
その頃のことを娘に取材したので記事にしてみたいと思います。
双子は比べられる運命?
そもそもおなかに宿った時から成長具合を比べられる双子。
どちらかが極端に小さいと命の危険があるので当然ですよね。
ただこの世に生まれてきてからも発達状態や月齢ごとにできることなど、どうしても比べてしまいがちです。
比べてはいけないと思いつつ、すぐそばに比較対象がいるからついついできない方を心配してしまうのが親心だと思います。
双子の娘が感じた「比べられる」ということ
それは小学校に入ってから
小学校では単元ごとのカラーのテストや、漢字や計算などの小テストで幼稚園のときにはなかった点数というものを意識することになります。
テストのたびに全く同じ内容の問題を解いてその点数が出るので、良かった方は大げさに喜んだり、悪かった方はすねたりが毎回繰り広げられます。
当時子どもたちは宿題の他に簡単なドリルを毎日やっていました。
まじめにこなしていたのは娘の方。
それでもテストの点数は息子の方が上でした。
友だちや先生から言われる
「どっちが頭いいの?」「どっちが点数が上?」
娘が息子との差を実感したのは友だちにこう聞かれたときから。
「弟だよ」とこたえると
「えー!意外!!きなこちゃんだと思った・・」と言われたよ。
生活面ではきちんとしていて先生に褒められることも多い娘。
そんな娘にとってプライドを傷つけられたひと言だったそうです。
また中学に入ってからは定期テストがあり、5教科の合計点で友だち同士でも競うことがありますよね。
学校から渡されるテストの記録をながめては伸び悩む点数に落ち込む娘。
ある教科の先生からはテストを返されるときに弟の点数をあえて言われることもあるようです。
母親である私から怒られる
小学校のころ個人面談で担任がかわってもいろんな先生から言われたのは、娘の学習に対する取り組み方の問題。
授業は静かに聞いているし宿題もきちんと出しているが、学習が定着していない。
一度覚えたものを忘れるのが早い。
うわべだけなぞった勉強になってしまっている。
それは家庭で続けているドリルの取り組み方をみてて、私も感じていたことでした。
分からない問題を時間がかかっても理解するまで解こうとする息子に対して、娘は答えを写して終わり。
怒っているわけではなかったのですが、その勉強法を改めたくて説明する私に対してもストレスを感じていたと思います。
娘に転機が訪れる
中学に入ってたまたま学年上位の子が多いクラスになりました。
その子たちと仲良くなり、普段の勉強方法やテスト用の勉強のやり方を聞く機会があり、そのあまりの学習量に娘は愕然としたようです。
「頭がいい○○ちゃんもそんなに勉強してるのか・・!」
自分の勉強のやり方を変える
カラフルなペンを使ってきれいなノートを作り上げて終了な勉強法をやめ、インスタやyoutubeの勉強アカウントで紹介されている勉強法を参考にシフトチェンジ。
- テスト範囲のワークは最低2回くりかえす。
- 授業中にやる小テストもしっかり復習し満点を目指す。
- 提出のノートはていねいにまとめる
- この勉強法をこなすための1日のtodoリストを朝にメモし、帰宅後こなす。
これを毎日ただ黙々とやり続けました。
予想外の結果が
点数はすぐには上がりませんでした。
勉強法を変えたばかりですぐのテストはその前の5教科350点前後とさほど変わらず。
その後落ち込みながらもめげずにその勉強法を続けた結果、396点、415点と伸び始めました。
しかし息子も娘に触発されたのか点数を伸ばし、現在も逃げきっています(笑)
だけどもうもっちゃんと比べられるのを意識しなくなった。前の自分より点数を伸ばせるかという気持ちに変わったよ。
なぜそんな風に考えるようになったのか。
それは勉強することにより思わぬ副産物を得たからです。
休み時間もワークを進めたり、予習をし授業にも積極的に参加する娘に対して、まわりの子たちの娘への評価が上がり始めました。
班長に選出されたり、いろんな場面で頼られるようになったそうでそれが娘の自信につながったようです。
双子の片割れではなく、娘個人として認められたことが娘の考え方を大きく変えてくれました。
双子の「比べられる相手」も違う世界でもがいている
息子は剣道を習っていますが、毎日素振りを欠かさず、youtubeで剣道動画をみて日々研究しています。
そんな息子ですが試合ではあっさり負けてしまうことももちろんあります。
勝ち負けや強い弱いで、常に「比べられる」世界でがんばっている息子をみて「なんだ、私とおんなじじゃん」と感じたそう。
あんなにがんばっているもっちゃんも負けちゃうことがある。
私と同じ立場になることもあるんだなぁって思った。
娘がたどりついた現時点でのこたえ
今になって思うことは「比べられる」ということに執着していたのは自分自身だけだったということ。
でもいつか弟の点数を超えてやるという気持ちは変わらずあります(笑)
ただそれが原動力になって成績も伸びたし、友だちからの信頼も得ることができた。それについては弟より上だという自信があります。
たとえば見た目で比べられたら、大人になってメイクを勉強すればいいし、トレーニングしてやせることもできる。うまくいかなくてもまた違う方法を試せばいい。
勝てないのなら違うことで勝てるものを探すのもいいと思う。
以上が中学2年生の現在、娘が「比べられる」という経験を通してたどり着いた答えのようです。
とはいうものの、些細なことで喜んだり悩んだりする思春期。
夫も私も無意識に子どもたちを比較してみていないか、日ごろのふるまいを反省しつつ、子どもたちの成長を見守っていかないといけないですね。